スペイン旅行記 その6    サグラダファミリア

   スペイン旅行も5日目最後の日となりました。このスペイン旅行の第1の目的地は、「アルハンブラ宮殿」でしたが、次に行ってみたかった所が今回の「サグラダ・ファミリア」でした。
  あの有名な建築家アントニ・ガウディの未完作品の教会です。サグラダ・ファミリアは、聖家族贖罪教会(日本語では聖家族教会と呼ばれる。)という正式名称を持つバルセロナにあるカトリックの教会です。今現在、サクラダ・ファミリアはアルハンブラ宮殿マドリッドプラド美術館を抜いてスペインで最も観光客を集めたモニュメントとなっているそうで、サグラダファミリアは2005年にユネスコ世界文化遺産に指定されました。
  ツアーのガイドさんによると2010年11月7日に教皇ベネディクト16世が訪れ、ミサが執り行われたそうです。ミサには司教達を含む6500人が参列し、800人の聖歌隊が参加したそうで、教皇ベネディクト16世が訪れるまでは、サクラダ・ファミリアの工事ものんびり行われていた様ですが、教皇が来られると聞いた現場の職人さんたちが、必死に工事を進め一気に建築が進んだそうです。
  これまでのんびりしていたスペイン人でも必死になればこんなに早くできるのかと皆びっくりしたそうです。教皇様の権威というのはすごいですね。ガイドさんも「教皇が来られたあとサグラダファミリアに来られたお客さんは、幸せです。」と言ってました。

  まず、バルセロナの町が一望できる丘に向いました。バルセロナの街を通った時にサッカー界で活躍のメッシがいる「バルセロナ」のスタジアムがありました。伝統のありそうな落ち着いた感じのでも意外とこじんまりしたスタジアムでした。


  


 目的地の丘は、19年前オリンピックが開催された本部や競技場のある丘でした。バルセロナには、写真に写っている座薬に似たタワーがあり不評を買っているようです。バルセロナ水道局が所有しているビルだそうですが、かえっていい宣伝効果につながっているようですね。小さくですが「サグラダファミリア」も見えました。


              


 次に、「サグラダファミリア」の全景が見渡せる、建物から少し離れた公園に行きました。観光客も多くいろいろなポーズで記念写真を撮っていました。今まで写真でしか見たことのないサグラダファミリアが目の前にあると思うと感激でした。なんともユニークな塔がたくさんある近代的な教会で、ガイドの方の説明で、これらの塔の12本が12使徒、4本が福音記者、1本が聖母マリア、1本がイエス・キリストを象徴されていることが分かりました。


        



  東側の生誕のファサード(建築物の正面部分)では、キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって表現されていて、日本人で主任彫刻家の外尾悦郎さんによる生誕の門の彫刻がありました。彫刻の顔立ちや表情が私たち日本人に似ていてとても親近感を覚えました。望遠カメラで一つ一つの彫刻を見てみました。どの彫刻も、やさしさに包まれてとてもほのぼのした表情でした。また、中央の門を構成する柱の土台には変わらないものの象徴として亀が彫刻され、海がめと陸かめがいてとても遊び心があり印象的でした。

  
                           


 さて、いよいよ教会の中に入りました。天井から降り注ぐ自然光を受けてとても温かい感じがしました。他の教会では感じることのないやさしい心地よい雰囲気でした。虹色に光り輝くパイプオルガンもありました。
 お祈りをしている方もおられましたが、私たちのような観光客も多い中、とても自然で、解放感のある礼拝堂となっていました。


                 


ほんのりした気持ちで教会内を通り、次に西側の受難のファサードを観光しました。イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの有名な場面が彫刻されていて、東側とは全く異なり、現代彫刻でイエスの受難が表現されていました。


             


 またこちらには、お土産コーナーがあり、サグラダファミリアのいろいろなグッズが置いてありました。お値打なものから、高級感のあるものまでいろいろあって、私も記念に数点買いました。ツアーで参加する場合、時間に制限がありますので、記念品を買いたい方は、先に購入しておいた方がいいと思います。
まだまだ建築が続くサグラダファミリアですが、ガウディ没後100年の2026年をめどにメインとなる栄光のファサード完成を目指しているそうです。


     



 教会の中だけでなく、今現在でも製作中の現場を見たくて、塔の中にある、エレベーターで最上階まで行きそこから階段で、下に下りてきました。所々開いている小窓から外を見ると、建設中の様子がわかりました。作業している様子を見ることができ、今なお新しい試みがされているのだなあと思いました。
 サグラダファミリアを上から見下ろすのも、また楽しい経験でした。


                                



 教会を出ると、当日券を購入している多くの観光客の方が、長蛇の列で並んでいて、人気のすごさが分かりました。ツアーで出かけるとこのような心配がなくていいですね。

         


 楽しい「サグラダファミリア」の見学もあっという間に過ぎ、次にバスで、ガウディがデザインした「カサ・ミラ 」「カサ・バトリョ」という建物や「グエル公園 」を見て回りました。

カサ・ミラ 」「カサ・バトリョ」という建物は、現在の建築物と比べても斬新的で、直線部分を持たない個性的で遊び心のある建物でした。現代になってブームになっているのが良くわかります。


                  


 また私のお気に入りは、グエル公園 のトカゲの彫刻で、なんとも愛嬌のある、また色彩的にもカラフルでとてもかわいいトカゲでした。観光客にも人気で、次から次へと記念撮影をする人でいっぱいでした。
 この公園は、本来は、施主のエウゼビ・グエル伯爵とアントニ・ガウディの夢が作り上げた分譲住宅でしたが、ふたりの進みすぎた発想と自然の中で暮らす価値観は、当時理解されず、60軒が計画されていたにもかかわらず、結局売れたのは2軒で、買い手はガウディ本人とグエル伯爵だけだったそうです。
 現在はガウディが一時住んだこともある家が、ガウディ記念館として公開されていて中にはガウディがデザインした家具なども集められて展示されていました。斬新的な発想は、なかなか認められない物ですね。


                                                                     


  観光の後はお楽しみのお食事、この日の昼食は、スペイン旅行で一番楽しみにしていた「パエジャ」(日本では、パエリア)でした。バルセロナのオリンピックの時の選手村だったヨットハーバーの近くにあるお店に行きました。
  お店に入ると、階段沿いに国際的に有名な方達の写真が貼ってありました。皆さんこの店に訪れた方達でした。写真にあるような、スペインの明るい雰囲気ぴったりのお店で、レストランのスタッフも品のある中にも陽気でサービス精神のある方達でした。
 「パエジャ」と記念写真を撮ったりした後、食事を取りました。3種類の味(イカ墨・シーフード・パスタ)を楽しみました。どれも美味しかったですが、私は、イカ墨の「パエジャ」が一番おいしいと思いました。やはり本場の物は、最高でした。幸せ〜。


                                    


  午後からは、いよいよ最後の訪問先「モンセラート」(モンセラット)へ出かけました。バルセロナ近郊にある山で、アーサー王の聖杯伝説に登場するサンタ・マリア・モンセラート修道院付属大聖堂があり、キリスト教の聖地とされている所でした。クリスチャンでない私でも「アーサー王の聖杯伝説」は、アニメで見たことがあったので、興味がありました。「モンセラート」に近づくとまるで鬼でも住んでいそうな岩山 が見えてきました。


         



 「モンセラート」とは「ギザギザな山(のこぎり山)」という意味がありまさにその岩山が、目的地「モンセラート」でした。麓には、大聖堂を中心とした小さな観光都市があり、自然豊かなハイキングコースとなっていました。
  モンセラート山を上って行くと辺りに漂う澄んだ空気の中に大聖堂が見えてきました。


                          

  モンセラットには、少年聖歌隊があり、ウィーン少年合唱団のスペイン版と言われているそうですが、あいにくこの日は、、国内外の教会に合唱の遠征に出かけているそうで、聖堂内に響く澄みきった歌声は聞けませんでしたが。
 この聖歌隊は10〜14歳までの少年と、プレパラトリオと呼ばれるその1学年下の実習生の約50人からなっているそうで、実習生は週末のみ自宅から通い、聖歌隊の本学科の生徒たちはみなこのモンセラットで寮生活をしているようです。

 モンセラートのもう一つの見所は、「黒いマリア様」と言われる像です。聖堂全体を見下ろすように、上階前方に奉られるマリア様は、880年、羊飼いの少年達がモンセラートの岩山にきらめく不思議な光を見つけ洞窟の中でマリア像を見つけたそうです。
  願いを叶えてくれると言われているこの黒いマリア様が奉られた礼拝堂には長い列ができていました。「黒いマリア様」は、ガラスのケースに入っていますが、玉を持った右手の部分だけは、ケースから出ていてその手に触ると願いを叶えてくれるのだそうです。私たちも列について願い事をしてきました。


                                  



  また、礼拝堂の中には、歴史を感ずる壮大なステンドグラスが数多くありました。今までに見たステンドグラスの中で一番美しいと思いました。世界には、いろいろな地形があり、無理と思われるような人里離れた高地にもこのような素晴らしい建築物を作ってしまう人類って素晴らしいなあと思いました。


                                                         
 

  この日の締めくくりは、「フラメンコフリードリンクショー」の生演奏がありました。席は残念ながら、舞台の真横になってしまいましたが、本場の踊りの迫力は充分味わえました。場内が熱気に包まれました。

 海外旅行は、これが最後になるかなと思いながら、感無量でした。と言いつつ、同じツアーに行かれた方々の中に、「マチュピチュ」に行かれたとか、「エジプト」に行かれたとかいろいろな文化に触れられている方々がいらっしゃって、また、機会があれば行ってみたいなとも思う私でもありました。

 私の五日間のスペイン旅行もこれで終わるかと思いきや・・・。スペイン旅行の予告編でお話しした通り、日本を襲った台風の影響で「セントレア」に飛行機が着陸できないというハプニングがあり、フィンランドに2泊することになり、帰りが2日遅れてしまいました。今まで泊まったことがないヒルトンホテルに2泊させてもらいました。このスペイン旅行で一番いい部屋だったように思います。さすが世界のヒルトンホテルだと思いました。ホテルの中には、自由に使えるスポーツジムやサウナがありました。皆さんあまり使ってないので、それぞれ入ってみました。新しくスポーツジムの器具もなかなか性能のいいものでした。途中で外国の女性が入ってこられましたが。マイペースで続けました。とてもいい経験になりました。


   


 職場の方には、迷惑をおかけしましたが、フィンランドの観光ができ、宿泊費食事代は、フィンランド航空さんがみてくださるということで、「災い転じて福となる。」という結果になりました。フィンランドは、治安がとてもいいということで、普通の周遊バスで、ヘルシンキ駅まで行ってみました。駅も街もこじんまりしたとてものどかな感じの駅でした。歩いている人たちも日本人よりワンテンポゆったりとしている感じで癒されました。


               


  いろいろな経験ができ、幸せな旅行でした。健康と、職場の皆さん、家族に感謝感謝の旅行でした。ありがとうございました。