スペイン旅行記 その4

  スペイン旅行3日目は、グラナダにある「アルハンブラ宮殿」に行きました。 
  スペイン旅行に行きたいと思ったのもテレビやネットで見た「アルハンブラ宮殿」がとてもロマンティックでクラシックギターで演奏される「アルハンブラ宮殿の想い出」の曲も宮殿のイメージにぴったりで昔から好きだったからです。グラナダの町に着いた時は、とっても嬉しかったです。「アルハンブラ宮殿」は見えないかなと探しましたが、夕暮れ時ではっきり見えませんでした。ホテルは、少し高台にあり若干宮殿のように見えました。ホテルの壁には宮殿の壁画があり「明日が楽しみ。」とワクワクしました。



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旅行記を書く前に、「アルハンブラ宮殿」の歴史などを調べてみました。

  イスラム教徒のムーア人グラナダに入植し始めたのは8世紀だそうで歴史を感じますね。
グラナダアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン」は、ユネスコ世界遺産に登録されていてそれぞれの概要は次のとおりです。
 ・アルハンブラ宮殿は、グラナダ市の南東の丘の上に位置する古代からの砦の上にあり、イスラム時代の君主らによって14世紀に完成されたそうです。
 ・ヘネラリフェ は、宮殿の東のはずれに建てられた離宮で、美しい庭園です。
 ・カルロス5世宮殿は、キリスト教時代に入り カルロス5世がアルハンブラ内に建てた宮殿です。
 ・アルバイシンは、イスラム時代の街並みが残る地区で、迷路のように入り組んだ路地に白壁の家が並んでいました。

 また、アルハンブラ宮殿の敷地内には、カテドラル( モスクの跡に建設された大聖堂)や王室礼拝堂( イサベル1世とフェルナンド2世の遺骸が眠っているそうです。)・修道院などが 建っていました。アルハンブラは、異なる時代に建てられた様々な建築物の複合体で、時代によって、建築様式などが異なっています。スペインを旅していると、イスラム教とキリスト教との文化の融合と言うテーマになりますね。素晴らしいと思うのは、キリスト教徒が、イスラム時代に築いてきた文化遺産を破壊することなく自分たちの文化に生かしていったことです。争いはいけないことだと思いますが、救いは、このように他民族の文化遺産でも大切にしたことで、キリスト教の考え方の穏やかさが感じ取られます。
 
  バスでホテルからアルハンブラ宮殿まで5分くらいで着きました。アルハンブラ宮殿は、すぐには見えず、糸杉という細くまっすぐな杉林の中を歩いていくと城壁があり「裁きの門」や「ぶどう酒の門(ワイン門)」を抜けるとその中に「アルハンブラ宮殿」が見えてきました。ガイドさんは、上品で声のとてもきれいな日本人の女性とお父さんのようなジェントルマンなスペイン人の男性でした。



         



  宮殿は白を基調としていますが、「アルハンブラ」とはアラビア語で「赤い城塞」を意味していて、「アルハンブラ宮殿」増築の時、夜を通してかがり火を燃やして工事したためグラナダ平野から見上げた宮殿が赤く染まって見えたことからこのように呼ばれたようです。700年以上も経っているのにこんなにきれいな状態で保存されていてすごいなと思いました。

  まず「アルカサーバ」という 9世紀にイスラエルの君主が建てたお城に行きました。 宮殿と呼ばれていますが城塞の性質も備えていて、その中に住宅、官庁、軍隊、厩舎、モスク、学校、浴場、墓地、庭園といった様々な施設を備えた一つの町のようで、その様子が完全ではありませんが石垣などで残っていました。その中でも一番高い「ベラの塔」に登りました。塔から下を見ると「グラダナ」の街が一望できました。天気も良くとても美しく見えました。
 


       
     



 糸杉でできた門をくぐって「メスアール宮」へ入りました。



         



 宮殿の中は、とてもきれいに保存され中でも壁画にあるモザイクタイルや、木組天井の模様が色鮮やかに復元され素晴らしかったです。宮殿内に敷き詰められたタイルは一枚一枚当時の職人によって作られたものだそうです。タイルや柱の一つ一つがとても丁寧に作られていてとても可愛い模様が描かれていて現代でも好まれそうな感じがしました。イスラムの文化は、色彩感覚がとても女性好みで繊細な感じがしました。



      



  窓の装飾なども素晴らしく昔の人々の技術の水準の高さが伺えます。またその模様などからイスラム文化による建物であることがよく分かりました。700年以上もたっているなんて思えない今でも暮らせそうな宮殿でした。「コルドバ」と同様イスラムの様式が、色々な所に残っていました。

  スペイン人のガイドさんの案内で次に「コマレス」という宮殿に入りました。
「大使の間」という広間に入る手前に大きな池がありました。その池に「大使の間」が水鏡のように写り、まるで水の上に建っているように見えとても幻想的でした。昔の王様、王女様も見たんだろうなと思うととても不思議で幸せな気持ちになりました。しばらくこの場を離れたくないと思いました。
 ガイドさんが、一番良いポイントで記念写真を撮って下さいました。とても優しいジェントルマンなガイドさんでした。


 
     



 カメラに収めようと楽しみにしていた「ライオンの噴水 」は、劣化が激しく現在修理中でした。
池を挟んで「大使の間」の反対側の広間に今工事中の「ライオンの噴水」のライオンが置いてありましたが残念ながら写真には撮れませんでした。目にしっかり焼きつけてきました。

  池の周りの小路を進むと「大使の間」または「王座の間」とも呼ばれるアルハンブラ宮殿の中で一番重要な広間に入りました。「大使の間」に入ると壁から天井まであらゆる所がレースの模様のような細かい装飾が施されもう言葉では表せない豪華さに圧倒されました。「王座の間」の名前の通りありとあらゆる贅沢を施してありました。700年前の建物とは思えない豪華絢爛で高貴な感じのする広間でした。



           



  今現在でもきれいですが、当時は色の付いたステンドグラスで飾られて金箔も施されていたようで如何に豪華であったかとびっくりします。このような所に来られて本当に幸せに思いました。もっともっとゆっくりしていたかったですが、ツアーの宿命で皆さんに遅れないように行かなければならず、とても名残惜しかったです。本当に見るところがいっぱいでデジカメのバッテリーを3つ持っていって正解でした。

 「大使の間」を出るとグラナダの町がよく見える回廊がありました。ここから宮廷内の王様たちはお城の外を見ていたんですね。



   



  回廊を抜けると「二姉妹の間」という女性のための部屋がありました。
 「大使の間」同様とっても華やかでそれでいて清楚な感じがする女性的なお部屋でした。
「二姉妹の間」と名づけられたのは、広間の中央に大きな二枚の大理石がしかれ左右対称にお部屋が作られているからだそうです。窓から入る光がとても繊細で柔らかな光が差し込んでいました。

 

     

  

  「二姉妹の間」を出ると「ライオンの中庭」があり、本来なら、中庭の真ん中に「ライオンの噴水」があるのですが今は工事中でした。本で見ると噴水の周りに白大理石でできた12頭のライオンの口からも水が出ていてその顔と姿が丸っこくてなんとも癒される感じに映っていました。ライオンは実際に見ましたが、とても愛嬌のある顔をしていました。昔なら王様とその王族たちしか入れなかった所に私たちがいると思うと感動でした。



   



 建物を出ると「パルタル」という庭園に出ました。昔は、美しい邸宅や豪華な宮殿が立ち並ぶ緑地だったそうですが、現在は、残された「貴婦人の塔」と呼ばれる建物や池や庭園が広がっていて素敵な散歩道になっていました。
時折小鳥の鳴き声がして、きれいな花々や歴史のある建物を見ながらの散歩は、時間の過ぎるのも疲れも忘れるほどでした。



        



 「パルタル」の庭園をしばらく歩いていくと「ヘネラリーフェ」という「パルタル」とはまた感じの違う洗練された庭園が広がっていました。ここは、王様が宮廷の雑務から解放されて憩いの時を過ごした別邸だったそうです。木々が整然と立ち並びバラや王様を癒したであろう花々が咲き乱れていました。そして池や噴水が心を癒すように流れかなり歩いてきた私たちの心も癒され疲れが半減しました。「ヘネラリーフェ」の小高い丘に登るときれいに咲いた花の向こうに今歩いてきた「アルハンブラ」の宮殿や塔がグラナダの町と共にすべて展望できました。



                 
  



 この雄大な景色を見ながら、文化遺産の宝庫を目の当たりにした満足感でいっぱいになりました。
 帰り道は、糸杉がまっすぐに並び、小川には水が流れ、気持ちのよい空気が流れ本当に疲れを癒してくれる散歩道になっていました。こんなにすばらしい所に来る事ができ、とても満ち足りた気持ちでバスに戻りました。



    



  その後、グラナダで有名な陶器「リヤドロ」のお店に行きました。私はよく知りませんでしたが、お店に行くと写真にあるような何ともいえない愛くるしい表情の柔らかい感じの作品がたくさん並んでいました。値段を見ると何万もするものばかりでしたので目の保養に見るだけにしました。今思うと一つくらいお値打ちなものを買えばよかったかなと思っています。 
 陶器ではありませんが、こちらで有名な寄木細工のお土産を買って次の目的地「バレンシア」へ向かいました。