スペイン旅行記 その3

 スペインに到着してから一日目は、スペインの首都マドリードの町や世界遺産の「トレド」という5世紀から栄えていた要塞都市を観光しました。二日目は、マドリードの駅から「スペイン版新幹線 AVE」に乗って世界遺産コルドバ」へ向かいました。
 以前イタリアに行った時よりマドリード駅構内は人も少なく、治安的にも安全な気がしましたが、バックだけは、しっかり肩からかけて持ち歩きました。構内のお店は、片言の英語(殆ど単語)で通じました。店員さんもフランスやイタリアに比べるとゆったりしていて買いやすかったです。庶民的なお店が多く、値段も手ごろで、ブランド品にあまりこだわりのない私のこと、お買い物にぴったりの丈夫そうでまた可愛い手提げのバックを買いました。
 駅での注意事項としては、駅の業務に関係のありそうな機械類などの写真は、写してはいけないとの事でした。




 スペインもフランス・イタリア同様時間には非常にアバウトで定時に電車が着かないそうなんですが、この「スペイン版新幹線 AVE」だけは、遅れないのがモットーだそうで、遅れたら運賃を払い戻すそうです。30分以上の延着で料金の100%払い戻し、15分から30分以内の延着で料金の50%払い戻しの制度があるそうです。(2009年7月現在)でも実際には元々かなり余裕のあるダイヤ設定がなされているため、遅れることはほとんど無くむしろ時刻表に記載された到着時刻より5分以上早く着くことが多いそうです。ガイドさんからそんな情報がありました。
 個人で行く旅行だと情報不足で不安ですが、ツアーで行くといろいろな情報をいただいて安心して旅行できていいですね。今回は、皆さん旅なれて良識のある方ばかりでよかったですが、添乗員さんも気を使われて大変かと思いました。観光地では、添乗員さんと通訳の方が常に付いてくださいました。私も写真が趣味なのでいつもツアーの方々の後ろにいたので遅れないようにと気を使ってくださっているのが分かりました。いろいろありがとうございました。この場を借りてお礼を言わせていただきます。



 

「スペイン版新幹線 AVE」もお約束どおりの時刻に到着し、コルドバへ向かいました。車内も広々していて快適でした。
バスで行けば2〜3倍かかる所を一時間半ほどで到着しました。今日観光する「コルドバ」は、「世界ふしぎ発見」でも紹介していた「メスキータ」という世界でも一つしかないユダヤ教キリスト教が合体したような「聖マリア大聖堂」があり、世界遺産にもなっています。その他、ユダヤ人街にある「花の小路」もとても可愛くて素敵でした。


「メスキータ」とは、スペイン語でモスクという意味で、アラビア語に由来するそうです。 メスキータ(Mezquita)は「モスク」(ひざまずく場所)、ムスリム(回教徒)の礼拝堂の意味で、スペインに現存する唯一の大モスクだそうです。 785年、イスラム教の寺院として建設されその後、カトリック教徒が権力をにぎった1236年からは、内部に礼拝堂を設けたり「カテドラル」が新設されて、メスキータはイスラム教とキリスト教、2つの宗教が同居する世にも珍しい建築となり、最終的には16世紀、スペイン王カルロス1世の治世にモスク中央部にゴシック様式ルネサンス様式の折衷の教会堂が建設され、現在のような唯一無二の不思議な建築物として、現在、この「聖マリア大聖堂」は世界遺産に登録されています。
 現在はカトリック教の大聖堂になっていますが、写真にあるようにイスラム教独特のアーチ上部の赤と白の縞模様がモスクの面影を感じさせています。


                    


また、建物を出るとアミナール(Aminar)と呼ばれる回教寺院の「塔」と、現在はオレンジのパティオ(Patio)と呼ばれ、礼拝者が体を清めるための沐浴を行う清めの「庭」が広がっています。その中を歩いていると、なんとなくオレンジの香りがして、オレンジの実を見ながらの散歩は癒されました。


    


 その「メスキータ」を出ると土産物屋などが並ぶユダヤ人街があり、その中でも「花の小路」と言って家の壁に花が飾ってある小路がありました。思ったより花は季節的に少なかったですが、その小路からアミナール(Aminar)と呼ばれる回教寺院の「塔」が見えるスポットは、絵になっていました。小路の近くにある土産物屋の店主が日本語で、「うちの店の中には、昔からの井戸があるよ。」と宣伝をしていました。とても人懐こそうな人だったのでその井戸を見てみると確かに由緒正しそうな井戸でした。日本人の観光客が多いのか、日本語で「商い中」と書いた看板が置いてある光景は、ちょっと微笑ましかったです。


        


 コルドバで「ガスパチョ」という冷たいスープのランチを食べて次の観光地「ロンダ」に向かいました。昼食を取ったレストランで面白い看板が出ていました。コミック本から取ったと思います。この日も晴天に恵まれ景色が一段と美しく見えました。
天に守られているようで嬉しかったです。天の神様ありがとう。(ちょっと大げさかな。)


         

 
 ロンダは、海抜739mの岩だらけの台地の上にあり「ヌエボ橋」と言う渓谷を見下ろす橋がありました。その谷に向かって手をたたくとその音が渓谷に響き渡り白い鳩たちがビックリして飛び立つ様子がとてもきれいでした。この日も天気がよく、渓谷の風景と木々や昔ながらの建物が絵のようにきれいに見えました。絵葉書にあるような景色に、絵を描く趣味がない私でもスケッチをしたくなるような風景が広がっていました。ガイドのおじさんがラテン系らしいユーモラスで元気な方で楽しかったです。後からわかったことですが、彼は昔は有名なギタリストで街の人気者のようでした。




 

20世紀、米国の作家「アーネスト・ヘミングウェイ」や、往年の俳優「オーソン・ウェルズ」が、ロンダに長く住み、この地の美しさを著書で紹介したことから、人気が高まったそうです。オーソン・ウェルズ通りもあり、この地を愛していたことが良くわかりました。私たちもその道を歩いてみました。とてものんびりした気持ちになれる木々の多い道でした。





 またこのロンダには、大きな闘牛場がありました。闘牛場の前には、大きな牛の像とかっこいい闘牛士の像がありました。



18世紀当時にスペインで行われていた闘牛は、馬に乗った闘士が牛を相手にするというスタイルでしたが、伝説によれば、ある日、ロンダで闘牛を行っていた貴族が落馬したところを、大工のフランシスコ・ロメロが帽子一つで救出。これが評判を呼び、現代の闘牛の原点が作られたということです。このロンダにある闘牛場は、現在も使用されている闘牛場としてはスペイン最古のものだそうです。でも最近では、動物愛護の観点から、人気もなくなり年に数回しか開催されないそうです。このロンダに来て、闘牛場を見て、スペインに来たと再認識しました。

 また、大きなバスに乗って、グラナダに向いました。ロンダからグラナダへのバスの中でゆっくり休みました。バスから見る景色は、オリーブ畑が殆どです。オリーブの料理が多いわけですね。私もオリーブの缶詰をお土産に買いました。
 あすは、いよいよ今回一番の楽しみな「アルハンブラ宮殿」を訪れることができます。