スペイン旅行記 その2

 スペイン旅行の二日目スペインの首都マドリードのホテルを出発し、今日の午前中は、マドリード市内にある「プラド美術館」・「ソフィア王妃芸術センター」へ芸術鑑賞に、午後からは、世界遺産「トレド」の観光に出かけました。
 この日の移動は、全てバスです。夏休みが終わってからの旅行でしたので、メンバーは、大人だけで添乗員さんを入れても14人と言う旅行者としてはバスも自由に席が取れますしとてもゆったりとした旅行になりました。

 「プラド美術館」の中は、写真に撮ることはできませんでしたが、スペイン王家が収集したコレクションを「王立美術館」として公開したのが始まりという世界三大美術館にも匹敵する所となっています。(ちなみに世界三大美術館は、パリのルーブル美術館サンクトペテルブルクエルミタージュ美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館です。)絵画にはあまり知識がない私でも知っている『ベラスケスの「ラス・メニーナス」』『ゴヤの「着衣のマヤ」「裸のマヤ」』『エルグレコの「胸に手を置く騎士」』など学生時代に美術の本に載っていた原画を目にすることができました。本物に接することができ、とても心が豊かになった気がしました。


 


 「プラド美術館」の横に教会があり、ガイドさんが言うにはこの教会で、天正遣欧少年使節が、1584年11月25日(天正12年旧暦10月23日) スペインの首都マドリードでスペイン国王フェリペ2世の歓待を受けたそうです。
 天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)とは1582年(天正10年)に九州のキリシタン大名達の名代としてローマへ派遣された4名の少年を中心とした使節団で、1590年(天正18年)に帰国。使節団によってヨーロッパの人々に日本の存在が知られる様になり、彼らの持ち帰ったグーテンベルク印刷機によって日本語書物の活版印刷が初めて行われキリシタン版と呼ばれたそうです。
 また、ガイドさんの案内で、その使節の数人が日本に帰ることなくスペインで結婚し子孫が今もスペインに暮らしていることも教えてくださいました。その日本人たちが、スペインで日本刀を作る技術を教え、その伝統が継承されている事も紹介し、途中で寄った土産屋にも確かに日本刀が飾ってありました。四百年以上も前にこんな遠くの国に来て足跡を残した人たちがいたことに日本人として誇らしく思いました。


  


 次に行った「ソフィア王妃芸術センター」は、「プラド美術館」が古典的なのに対し「ピカソ」や「ダリ」「ミロ」などスペインの現代アートを代表とする画家たちの絵画が展示されている新しい美術館という感じでした。皆さんも一度は見たり聞いたりしていると思われる『ピカソの「ゲルニカ」』が展示されていました。ガイドさんによりピカソの性格や人生観を感じさせるエピソードを聞き、ピカソという人物を身近に感じました。そして平和の大切さも強く感じました。「ソフィア王妃芸術センター」の内部は、一部撮影もOKでした。でももちろんフラッシュは厳禁です。チョビヒゲノの顔で有名なダリの「窓辺の少女」を写すことができました。このモデルは、ダリの妹さんだそうです。館内に売店があり、ピカソやダリたちの作品にちなんだ土産物が沢山置いてありました。


          


 また、スペインと言えば、『セルバンテスの書いた「ドンキホーテ」』で有名ですが、「スペイン広場」に「ドンキホーテ」の大きな像がありました。できたら、像の近くで写真を撮りたかったのですが、時間がなかったので諦めました。


    


 また、スペインには日本と同様王室がありこの、「スペイン広場」の近くに王宮がありました。王様は、庶民的で、ユーモアのある方のようです。王宮の中には入りませんでしたが、「スペイン広場」から眺めることができました。
王宮を眺めていますと、王様を思わせるとても愛嬌のあるワンちゃんが通りかかりましたので「ワンショット」。


 
 


 昼食に生ハムの料理を食べましたが、残念ながら、塩気が強くて期待外れでした。生ハムは、日本製の方が遥かにおいしいと思いました。でもお店の作りは、写真にあるようにハムの燻製が塊ごと店頭にぶら下がっていてとても豪快で雰囲気のあるお店でした。やはり日本は、薄味で、ラテン系の国は、全体的に肉食系で、乾燥に耐えるように塩分を多く取るようにしているようで、これはお国柄で仕方ないことですね。


  

 
 午後からは、バスに揺られマドリードから70キロ離れた『世界遺産「トレド」』を観光しました。写真にもあるように大きな川(タホ川)と塀に囲まれた要塞都市として栄えた一大都市で、その街の中には「カテドラル」と言われる教会があり聖堂内には、何世紀前の歴史ある剣や王冠がおいてありました。トレド大聖堂は、 1226年にフェルナンド3世の命により建築が開始され、1493年に完成したゴシック様式のカテドラルで、聖具室にはエル・グレコの『聖衣剥奪』や『十二使徒』などの絵画が飾られていました。
 大聖堂以外にもアルカサル ( ローマ時代に宮殿があった場所)や病院・美術館・修道院 などがあり、「町全体が博物館」と言われています。また、ルネサンス期のスペインを代表するギリシア人画家のエル・グレコが活躍した町としても有名でエル・グレコのアトリも再現されていました。
 1986年、トレド大聖堂など旧市街全域が古都トレドとしてユネスコ世界遺産文化遺産)に登録されています。現代化をまぬがれ、古代ローマから西ゴート王国後ウマイヤ朝、スペイン黄金時代といった2千年紀にわたる文明の痕跡を残していること、ユダヤ教キリスト教イスラム教による異文化の混合がムデハル建築に示されていることなどが評価されたそうです。1600年以上前から存在しているなんてとっても素晴らしいことだなとあらためて感動しました。
 ちなみに日本の奈良市姉妹都市になっているそうです。 出口の プエルタ・デル・ソル(太陽の門)も外敵から守られるよう堂々とした雰囲気でたっていました。また、アメリカ大陸を発見したコロンブスが、スペインの女王に謁見した宮殿も建っていました。感動です。ステンドグラスやパイプオルガンも日本と比べると超豪華でカメラが手放せないほど沢山ありました。


                          


 世界遺産がいっぱい詰まったこの「トレド」を2時間くらいで観光しました。海外旅行のツアーは、かなりの体力が必要です。今回のツアーのメンバーも元気な方ばかりでびっくり。マドリードへの帰路の途中、日本刀などが飾ってある土産物屋によりました。見ているだけでも楽しかったです。


      


 またバスで、マドリードの前日と同じホテルに戻り、美味しい「ビーフシチュー」を食べ明日への英気を養うためにも早く寝床に入りました。