桜だより

 「東日本大震災」の後、旅行に行くのも申し訳ないような気がしておりましたが、旅館の方たちの苦労話などが報道され、自粛してばかりいてもいけないかな。行けるときは行かせていただこうと京都に出かけることにしました。
 震災前に出かけた「伊豆の河津桜」と4月に入ってから出かけた「京都の桜」の便りをお届けしたいと思います。

 皆さんもご存知の通り「河津桜」は、他の桜と比べると2ヶ月くらい早く咲きます。伊豆半島の東側にある静岡県賀茂郡河津町で1974年に「カワヅザクラ河津桜)」と命名され、1975年に河津町の木に指定されたそうです。 現在も原木が河津町に存在し、2011年現在で樹齢55〜65年になるそうです。
 名前の由来となった河津町では毎年2月10日前後から3月10日前後にかけて河津桜まつりが開催され、河津駅近辺の河口から河津川にそって「河津桜並木」が約3km続いています。毎年この時期になると大勢の観光客でにぎわい、夜にはライトアップされます。今年は例年に比べると2月3月が寒かったせいか3月に入ってからが満開のようでした。河津桜と桜の裾に菜の花が咲いてピンクと黄色のコントラストがとてもステキでした。



 その後、春休みの4月5・6日に京都に出かけてみました。平日の朝早く出かけましたので、高速道路も比較的すいていました。初めに京都の南にある「醍醐寺」に行きました。2年前に行ったことがあり、もう一度行きたいと思っていました。今回もお天気に恵まれ、最高の行楽日和となりました。3つのお寺が集まっていて私が知っている中で一番素晴らしいと思える桜でした。
京都の中でも比較的郊外にあってのんびりとゆったりした時間が過ごせることと何といっても桜がとっても輝いていて素敵なお寺でした。醍醐の花見(だいごのはなみ)と言って、慶長3年3月15日(1598年4月20日)に豊臣秀吉豊臣秀頼北政所淀殿ら近親の者を初めとして、諸大名からその配下の者など約1300名を従えて盛大に花見の宴を開いた所でその当時のことを想像すると歴史を感じてちょっとロマンチックな感じがしました。



 次に訪れたのは、祇園にある「辰巳大明神」がある白川通りです。車を駐車場に止めて露地(ろーじ)と呼ばれる家と家との狭い小径を抜けると「辰己大明神」がありました。京都には、こうした通りと通りをつなぐ小径が多いようです。  昭和初期、京都を愛し亡くなるまで京都で暮らした吉井勇という歌人が詠んだ「かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる」と書かれた碑は吉井勇の古希を記念して建てられたものだそうです。この場所は文芸芸鼓として知られ、また吉井勇と親交のあった磯田多佳女が女将を務めていたお茶屋「大友」の跡で、碑に刻まれている歌もここで詠まれたものだそうです。「大友」は白川に張り出して建てられていたようで、実際に床の下を川が流れていたようです。いまもその頃の面影を感じさせていました。このように地域の皆さんの協力で伝統が守られているのだなーと感心しました。



 次は、平安神宮に行ってみました。なんとも壮大な歴史的な映画の一場面にありそうな場所でその奥にシダレザクラが咲いている日本庭園がありました。前回は、入れなかったので立ち寄りました。珍しい品種として「カンヒ桜」という釣鐘状に下向きに咲く桜がさいていました。


 こちらも何回か行ったことのある心の落ち着く「龍安寺」です。枯山水の石庭で有名な龍安寺は、禅宗が盛んだった室町幕府に建てられた禅寺です。「吾唯足るを知る」という有名な蹲踞(つくばい)があります。(蹲踞とは茶室に入る前に手や口を清めるための手水を張っておく石のこと)ここの蹲踞には「吾唯知足」(われ、ただ足るを知る)の4字が刻まれていて、「不満に思わず満足する心を持ちなさい」という戒めでもあるといわれています。また水を溜めておくための中央の四角い穴が「吾唯知足」の4つの漢字の「へん」や「つくり」の「口」として共有されているのが見どころです。徳川光圀水戸黄門)が、寄進した物だそうです。



 残りの時間に桜の種類が多いことで有名な「平野神社」と大きなシダレザクラで有名な「京都府立 植物園」に行ってみました。



 

清水寺のすぐ近くにあるホテルに泊まり、夜は、八坂神社・円山公園・「ねねさん」の菩提寺で有名な「高台寺」のライトアップを堪能しました。「さくらさくら弥生の空はみわたすかぎり♪〜」という歌がありますが、今日一日桜三昧の旅行でした。また、「高台寺」の中にある竹林の夜景も一枚の絵画のように神秘的で心が澄みわたる気がしました。
 一日中、桜を満喫し歩き回ったので宿に着いてお風呂に入ると「ばたんきゅう」と獏睡しました。

 
 次の日は、車をホテルに置いたまま(清水寺のすぐ近くのホテルだったのでお昼まで駐車できました。)参年坂・清水寺を散歩しました。清水寺も朝のうちは、人も比較的少ない方でしたが、だんだん混んできました。清水寺の入り口付近に縁結びの神様のマーケットみたいなところがあって、写真のようにいろいろな神様が集まっていました。私は、特に「水掛地蔵さま」にお願いしてきました。



 

 その後は、皆さん良くご存知の清水の舞台からのすばらしい景色を見て、ウグイスの声を聞きながら、桜の花を見つつ散歩しました。清水寺は、この時期ウグイスの声がとてもよく聞こえます。街の中なのに自然が残され、森林浴をしている気分になれるのが不思議です。清水の舞台の下の池に大きな亀がいてのんびり甲羅干しをしていました。ちょっとした池があり桜や塔が水に映りとてもきれいでした。ゆったりとした気分を味わうことができました。



 清水寺を見た後車で移動し、嵐山にあります「天龍寺」「渡月橋」のあたりを散歩しました。震災の影響か、例年よりはるかに観光客が少なかった様に思います。どこへ行っても桜が満開で、とってもハッピーな気持ちになりました。自然て素晴らしいですね。日頃の疲れがいっぺんにとれた気がしました。人が少な目といってもせっかくのお花見日和楽しくお花見をしている人たちがみうけられました。


 
まだ元気が残っていましたので、こちらもシダレザクラで有名な「法金剛院」へ行きました。歴史を感ずる素晴らしいシダレザクラでした。京都のよさは、桜の素晴らしさはもちろんですが、やはりお寺を背景にして桜を見るというところにさらなる価値があると思います。



 今回の旅行の締めは、初めて訪れる「東寺」のライトアップです。本当に素晴らし幻想的な映像にうっとりしました。本物は、映像よりずっとよかったです。元気に旅行に行かせていただいてありがとうございました。全ての人に感謝の旅でした。